

ファッション情報・企画室「コルクルーム」のティーチイン
アクティブシニアは自由裁量時間をどう使うか(2/3)
次に本来、日本の小売業が業態としてどのように動いていくかが問題になります。2007年の小売業の動向を見ると、ZARAやGAP、バナナリパブリック等の激しい出店競争があります。2008年にはH&Mやアバクロが加わり、世界的なカジュアルブランドが勢揃いします。また、注目すべき事に、東京ガールズコレクションがあります。これは相当な盛り上がりを見せることでしょう。3月3日には横浜で開催されます。ここには新しいものが多く含まれている気がします。このグループのモノ作りは今までと根本的に違うのです。商品を作る上で、まずデザイナーが商品をデザインして、素材を買い集め、洋服にしていく工程です。しかしそれは違っていて、まず素材をどう手当てするか、そしてその素材で何を作っていくか、という流れです。
例えば、マルキュー系の世界は、極端に言えば、チーフデザイナーと社長が店に居て、店の前を通る女の子のファッションを見て、スケッチし「次に何が売れそうか」社長が判断した後に、モノ作りのスタッフを集めて1週間で作るように言うのです。東京ガールズコレクションのように、一度に何万人もの人を集めて一大イベントを行ない、しかも携帯で服を注文すると言う、信じられないような動きが、勢力となっているのです。
今はネットによるビジネスが様々な形で多く出てきています。最初は誰もが、携帯の画面からの僅かな情報で、何故洋服が買えるのか、と思ったはずです。しかし少し捻って考えると、彼らは情報を買っているのです。ショーで、押切もえやエビちゃんが着た服を欲しがる事を、知る事が出来るのです。そのような動きは、量的には無視出来ない状態になっています。但し、これが長続きするかは分かりません。一旦ブームになる事で寿命は短くなっています。
それと同時に、ハニーズの、社員を渋谷等の街頭に派遣してスケッチし、福島に戻って、商品化し、韓国で製造するスタイルが好調です。これはアイディアの源泉を、自らが作るのではなく、他人が作ったものを基にしています。心情的には許せない部分があります。効率は良いようですが。このように昔のファッションビジネスが具体的に変わってきているということではないでしょうか。デザイナーの皆川 明氏は、「ファッションビジネスはあまりにも体質が古く、このままでは絶対ダメだ」と言っていました。例えば、発注をしておきながら、商品を届ける時になって、受け取らないという行為を平気でするのだそうです。彼は、魚市場でアルバイトをしていた経験がありますが、競り落とした魚を返す事等、絶対にあり得ないと言います。ですが、ファッション業界は、それを通用させてしまっています。私はその話を聞いて、いろんなことわざが頭の中を巡りました。これからのファッションビジネスは、新しい芽が様々な所から出てきて、あと数年でそれが安定し、完全に今までと異なった姿を現すのではないでしょうか。
◇2007年の小売業の動向
●ネット通販の発展
ネットによる売り上げは、最終的には小売業の売り上げの3割程になると言われています。ここ数年の動きが注目されます。
●オーバーストアーの危険
オーバーストアーも気になる事の一つです。これだけ、多くの複合施設等が出店をして、やっていけるのだろうか。これから2、3年後には、非常に大きな問題になると思います。そして、百貨店も昨年、前年割れを起こしています。百貨店は、活路をショッピングセンターに求めようとしたのです。その第一は、三越がジャスコと武蔵村山のダイヤモンドシティに出店しました。郊外に出すには、その場所の特性をよく調べる必要がありますが、何となく出したという印象を受けます。その他の百貨店も、出店を狙っていましたが、結果を見て躊躇しています。これらを含め、ショッピングセンターが絡んだ大きな動きが出てくるのではないでしょうか。
●SPAの危険
SPAも少し危なくなってきました。昔は7割作って3割はシーズン対応で調整していましたが、最近はその逆で、7割をシーズン向けに商品作りをしています。と言う事は、みんな同じになってしまうのです。何割かを最初に作りこんでおかなければ、それぞれの個性は出せません。品揃え専門店がダメになったのも、売れ筋の品揃えをしてしまった事が原因です。お客さんから見れば、皆同じになってしまうということです。これがSPAにも起こりかねません。
●ユーロ高の影響
これからの動きで、ユーロ高がどう影響するかが気になるところです。一時期は140円が壁でしたが、現在1ユーロが157円にも上がりました。ニューヨークはヨーロッパからの顧客が多くなっています。ユーロ高を背景にすれば、良い買い物ができます。スーパーブランドは、殆どヨーロッパ系ですから、その点がどう絡んでくるかが問題です。
(続く)
■トラックバック
http://info-station.test-domain.jp/mt_admin/mt-tb.cgi/344
