

歴史都市ウィーンを規範に文化都市<東京>を見つめ直すフォーラム(吉村實)
パリのシャンゼリゼ通りやウィーンの環状道路が何故美しいのか何時も考えます。それらが建設されたのはたかだか150年ほど前です。大戦による被災後も再建しその美しさを維持しています。また1200年の京都、300年の江戸は町屋という衛生的な美しい町づくりが行われました。翻って現代の東京を見ると、機能美といいながら行政や企業側の論理で町が出来、何処も近似になっています。そこには一方の価値観で、市民を含めた共通の価値観が見いだせません。それは不便さも美学的に納得されるものであれば文化として意味を持つものなのに、エトス(社会全体の共有の美学)と呼ばれるものが議論されない社会風潮に原因があるかと思います。市民社会の形成時に芸術家が関与し独特の街を作り上げたウィーンをモデルに現代の都市/生活環境を考える広場にしたいと思っています。
Lebensraume ウィーンの室礼
今年もまた東京デザーナーズウィークに「ウィーン・プロダクツ」の展示が新宿パークタワー3階のOZONEプラザで行われました。(10月26日〜11月6日)
インテリアテキスタイルのバックハウゼン社(マナトレーディング 03-3792-7411)、陶器のアウガルテン磁器工房(アウガルテンジャパン 03-5640-7653)、アンティーク&モダンなインテリアスタジオ、フリードリッヒ・オットー・シュミット社〔日本フリードリッヒ・オットー・シュミット社 03-5966-8922〕、クリスタルグラスと照明のJ.&L.ロブマイヤー社(ロシナンテ 03-3423-4552)、ウィーン銀器工房シルバーシュミーデ社の5社の参加があり、カリン・クラステックさん(ウィーン在住)のデザインで、各部屋を想定した日本の生活に調和するシーンを提示されておりました。例年と違って素材のみではなくその使い勝手が想像できる見せ方で、ウィーンらしい贅沢で甘美な生活デザインが見えました。
カリンさんのデザインは、居間、食堂、座敷、寝室、浴室などのコーナーにF.O.シュミット社のバロック的な家具を中心にモダンなテーブルウェア、アクセサリー等でセッティングし、それらシーンの数々は古いものと新しいものの調和ではなく、それ自身が時間を超えたウィーンらしい独特のものと感じさせられました。
僭越ながら私は今年ウィーン代表部のご依頼で「ウィーンデザインとウィーン・プロダクツ」の講演を三回ほど行いお手伝いしました。
「ウィーン・プロダクツ」は1995年からウィーン商工会議所がウィーンらしい高品質のものを生産する企業を認定し、企業や文化団体にトレードマークを与えているものです。6つの分野があり、「AMBIENCE OF VIENNA ウィーンの雰囲気」はインテリアデザイン部門で9社、この中から2社が出展。「PERFORMANCE OF VIENNA ウィーンのパフォーマンス」は9社あり、ユニークな文化表現に対してウィーン交響楽団、ウィーン少年合唱団もこの分野で認定されています。「PLEASURE OF VIENNA ウィーンの喜び」はファッションとデザインで7社。「TASTE OF VIENNA ウィーンの味覚」は食事とワインで12社。ホテル・ザッハー、デーメルのお菓子もこの分野です。「TOP TABLE OF VIENNNA ウィーンの食空間」は高級なテーブルウェアで6社、この中から3社が今回出展。「TREASURES OF VIENNA ウィーンの宝物」は装飾類で、9社が認定されています。
「ウィーン・プロダクツ」という名前から工業製品がイメージされるが、じつは工芸的色彩が強くこの商標は有形無形のウィーン文化の継承者であることの証明であって、ウィーン文化の深さを今更ながら知らされます。

「ウィーン・プロダクツ」のロゴマーク

会場側面 今年のシンボル図が見える

会場全景

会場内部

フリードリッヒ・オットー・シュミット社出展の飾り棚

ダイニング・テーブルのテーブルセティング

J.&L.ロブマイヤー社のホフマングラス棚
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